ご挨拶

競馬を始めてはや20数年が経ちました。
馬体重の変化を予想の中心に据えていた初期から、騎手買い、血統買い、馬主買い、上がり3ハロン最速買い、サイン馬券に人気落ちのGⅠ馬狙いとさまざまなフォームで競馬の予想をしてきました。

そしていつも馬券を外してきました。

よく冗談でオケラ街道なんて言葉がありますが、当時東京競馬場がある府中の隣の国分寺に住んでいた僕は、文字通りオケラになったときはとぼとぼと歩いて1時間以上かけて家に帰っていました。しかも 負けるたびに縁起を担いで帰る道を変えるので、東京競馬場から国分寺の我が家までの道はそのほとんどがオケラ街道になり果ててしまいました。

そんな事態がある日突然急変。
そう結婚です。
前々からよく聞いていた話です。
結婚した途端ぱったり競馬をやめてしまう男(女も)。
独身の競馬仲間達から哀れみの一瞥と裏切り者の烙印を押され、健全家庭という名の荒野へと放逐されるあの結婚生活です。
僕も当初は覚悟しました。
それに正直結婚生活を始めて前みたいに給料全額かけてオケラになって、1ヶ月米と味噌と漬物で過ごす(実話)というのはなにがなんでも許されないだろうと。
それまでGⅠレースに万円単位で投資(賭けるの上品語)していたのが当たり前だったので、これで楽しくも苦しい競馬ライフともおさらばかと一度は諦めかけていました。

・・・でも、待てよ。
競馬の最小投資単位は100円だよな。
最悪1レース100円だけでも賭ければ競馬を続けられるんじゃないかな。

涙ぐましい発想です。
特にいままで阿佐田哲也の「麻雀放浪記」をバイブルに粋がっていた、当たったときだけギャンブル素人の友達に気前のいいところを見せていた、立て看博徒にとっては恥辱の池に溺れそうになるくらいの出来事です。

けれども結局、狂おしいまでのギャンブルへの欲求、もとい競馬への愛が勝ちました。
そんなわけで妻におずおずと相談してみました。

「これからはGIレースだけしか賭けないから、競馬続けていい?」
「いいけど、1レースいくら使う(賭けるの軽蔑語)の?」
「・・・100円」
「・・・それで足りるの」
「・・・足りないけど」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・GⅠにしか賭けないなら、1000円までだったら使ってもいいよ」
「(涙)」

決死の覚悟で挑んだおかげか、予想外に1000円という想定の10倍の予算を勝ち取ることが出来ました。
1000円あれば馬連BOXで5頭BOXが出来ます。
馬連軸1頭で流しても相手に10頭選べます。
3連単でも1着固定で2着3頭3着5頭のフォーメーションが組めます。
勝つと思っている馬がいるときに、単勝100円、複勝100円、馬連軸1頭流しで400円に3連単1着固定で2着2頭3着3頭のフォーメーション400円で計1000円、みたいな複雑な張り方も出来ます。
すばらしい、すばらしく夢のある予算です。

こうしてGⅠのみで1000円賭け、といういまの僕の基本スタイルが出来ました。
とはいっても初めのうちはなかなか苦労しました。なにせ穴党で100点買いがあたりまえだったのが急に最大でも10点しか買えなくなったのですから。
でもそのうち点数が買えない分だけ自分の買い目をシビアに見れるようになりました。
さらに自信のない1レースをパスすれば、次のレースは2000円使えるということに気づくとますます予想自体も堅く、わからないレースには手をださないようになりました。
そうしてだんだんと回収率も良くなっていき、いまではだいたいトントンで1年の競馬収支を締められるようになりました(自画自賛)。

そこでムクムクと次なる野望が出てきました。

これ、GⅠ以外でもいけるんじゃね(無謀)。

でもさすがに今回は怖くて妻には言い出せません。
それでまずは1000円じゃなくて100円で勝負してみることにしました。

JRAが開催する中央競馬は年間で130以上の重賞レース(障害競走を含む)を行っています。つまり全レースを100円ずつ買っても年間で13000円、たとえ全部はずしても1ヵ月1000円の浪費です。

とりあえず単勝を100円分。
もし前のレースが当たって余裕があれば複勝も100円分。
これで1年やってみて、プラスになるようだったら1000円でやってみようと。

はたして1年後にどうなっているのか 。
負けているのか勝っているのか。
そもそも全レース、きちんとよそうして単勝を買えているのか。
このサイトはそんな競馬小市民の野望の記録と記憶の歳時記です。